2020-05-29 08:34 PM
自宅や別のオフィスからプロジェクトを作業する場合、または別のサーバーやBIMcloudにプロジェクトを移動する必要がある場合は、デフォルトではPLN/Teamworkプロジェクトに含まれていない、プロジェクトで使用していた外部ファイルも考慮する必要があります。ここでは、使用している可能性のある外部要素にはどのようなものがあるのか、また、新しい場所で作業を続ける際にそれらが失われないようにする方法をお伝えします。
セットアップに応じて、プロジェクトと一緒に再リンクまたは転送する必要があるかもしれないアイテムについては、以下のリストを参照してください。
リンクされた項目 | 設定個所 |
外部図面(PDF, JPG, PMK, PLN) | ファイル > 外部参照 > 図面マネージャ |
ホットリンク (PLN, MOD, TW, 3DM, IFC) | ファイル > 外部参照 > ホットリンクマネージャ... |
リンクされたライブラリ | ファイル > ライブラリとオブジェクト > ライブラリマネージャー... |
XREF | ファイル > 外部参照 > XREF管理... |
DXF-DWG変換設定 | ファイル > 相互運用性 > DXF-DWG > DXF-DWG変換設定... |
作業環境プロファイル | オプション > 作業環境 > 作業環境... |
IFC変換設定 | ファイル > 相互運用性 > IFC > IFC変換設定... |
それぞれの設定方法についての詳細は、下記の説明をご覧ください。
上記のARCHICADのデフォルトオプション(デフォルトライブラリ、デフォルトテンプレートなど)だけを使用する場合は、何もする必要はありません。ARCHICADを使用する場合はどこでも、これらのデフォルトオプションを使用することができます(もちろん、同じ言語バージョンを使用していることは前提です)
チームワークで作業をしている場合は、リンクされた項目を社内のサーバー(もしくはクラウドサービス上)の場所に置き、その場所をドライブとしてマウントしてそれぞれのコンピュータで同じ名前/IDとして、ファイルパスが全てのコンピュータで同じにすることを推奨します。(例.どのコンピュータから作業したとしても、ホットリンクはF:/Shared Server/Name-of-this-project/Hotlinks/にあります)
重要な点として、プロジェクトを別のOSに移動させる場合、もしくは異なるOS間(macOSとWindows)で同じチームワークプロジェクトを作業する場合、ファイルシステムの違いにより、リンクとファイルパスは一度に1つのOSでしか機能しないことを考慮ください。この場合、それぞれにコンピュータい同じサーバーをマウントしていても、そのサーバーへのパスは2つのOSで異なるため、どちらか一方のOSでしか設定できません。
社外で仕事をする必要がある場合には、VPN接続を設定し、同じサーバーを離れたコンピュータにマウントしたり、リモートデスクトップアプリケーションを使用して、離れた場所からオフィスのコンピュータで仕事をするのが良いでしょう。これらのオプションについては、 ARCHICADを在宅で使用するを参照ください。
任意の種類の外部 2D グラフィック (PDF、JPG など) をビューポイントに配置したり、別のプロジェクトの図面を (オーガナイザーを介して) ドキュメントに配置したりすると、これらのファイルを外部図面としてプロジェクトにリンクされます。これらのファイルは、あなたのコンピュータまたはオフィスの共有サーバードライブに保存することができます。
これらの図面は常にリンク先のファイルから直接内容を読み込みますので、ファイルが見つからない場合は空の状態で表示されます。
詳細は配置された図面の管理と更新をご覧ください。
建物内に繰り返しのある個所がある場合(例.浴室のレイアウト、典型的な事務所、ホテル客室、アパート等)、これらのレイアウトをホットリンクとして保存し、繰り返すユニットとして使用できます。これにより多くの時間を節約することができます。なぜなら、ユニットに変更を加える必要があれば、ホットリンクモジュールファイル内で一度に行うことができ、そしてこれらのインスタンスを一度に全て更新します。
リンクされたプロジェクトを同じ場所で見つけられなくなった場合、変更を加える必要があるときにインスタンスを更新することができません。ホットリンクの更新は常に手動のため、すでにリンクされているジオメトリがホストプロジェクトから消えてしまうことはなく、更新できません。
注: ホットリンクモジュールとしてIFCファイルを使用する場合は、適切なIFC変換設定も利用可能であることを確認する必要があります。
詳細はユーザーガイドのホットリンクモジュールを参照ください。
ライブラリには、プロジェクト全体で使用されるすべてのGDL要素(オブジェクト、カーテンウォール、ドア、窓など)と、それらに関連するすべての追加ファイル、およびARCHICAD内の特定の属性(テクスチャとして使用される画像ファイルなど)が含まれています。
ライブラリの部品は、必要なときには常にライブラリから読み込まれ、プロジェクトには保存されません(埋め込みライブラリを除く)。そのため、ライブラリがあるはずの場所で見つからない場合は、オブジェクトが見つからず、太いドットに置き換えられます。
また、プロジェクトのPLNバージョンをダウンロードするだけならば元のBIMcloud上のBIMcloudライブラリにリンクされたままになります。もしそのプロジェクトの別のBIMcloudに共有しても、元のBIMcloud上のBIMcloudライブラリにリンクされたままになります。つまり、プロジェクトが新しいBIMcloud上にあったとしても、古いBIMcloudからライブラリを参照しています。そして、古いBIMcloudにアクセスできない場合、それらは欠落します。
詳細は、ライブラリに関する記事を参照ください。
DWG-DXFを通常の外部図面として添付することもできますが、その場合は単なる図面になってしまい、オプションや機能が制限されてしまいます。しかし、2D図面の一部として保存する必要がある場合は、外部参照としてプロジェクトにリンクすることができます。(ホットリンクのようなものです)
XREFファイルを再読み込みして、新しい変更に合わせて更新するには手動で行う必要があるため、DWG-DXFファイルが見つからなかった場合、ARCHICADでは更新前の内容がそのまま残ります。ただし、DWG-DXFファイルに更新があった場合は、再読み込みが必要です。
注: ファイルで使用するDWG-DXF変換設定も必ず送付してください。
詳細は、ユーザーガイドのXREFの操作を参照ください。
DWGおよびDXF図面要素はARCHICADの2D要素とは実質的に異なるため、DWGファイルのインポート/エクスポートやXREF DWGファイルを使用する場合は、AutoCADのハッチングや線をARCHICADの塗りつぶしや線に変換する方法が必要になります。ARCHICADでは、すべての要素が希望通りに変換されるように、変換設定を使用して何を何に変換するかを決定します。
これらの変換設定は、XML形式でハードドライブに保存されます。
DWGファイルを通常カスタム変換設定を設定していて、変換設定を保存していない場合、DWGファイルをインポート/エクスポートした際に異なったように見えるか、少なくとも期待通りでないかもしれません。
詳細はDWG/DXFファイルの操作を参照ください。
ARCHICADには、ソフトウェアを開いたときのウィンドウ、パレット、ツールバーの配置、選択ハイライトやガイドラインの色、ツールボックスで使用できるツールとその順番、トップメニューバーのアイテム、各ツールの設定ダイアログに表示されるオプションなど、多くの項目についてのデフォルト設定が用意されています。
これらの設定は、"作業環境プロファイル"としてARCHICADに保存することができます。
これらの設定は、どのプロジェクトにも関係なく、ユーザーが設定したものなので、自分のパソコンに保存されています。別のコンピュータから作業を開始して、作業環境が利用できない場合は、自分の好みに合わせて設定されていないため、生産性が低下する可能性があります。
詳細は、ユーザーガイドの作業環境をご覧ください。
ARCHICAD 21までは、IFC変換設定はDWG変換設と同じく、外部のXMLファイルとして保存され動作していました。ですが、ARCHICAD 21より、IFC変換設定は、プロジェクト内部に保存されるようになったため、何もすることはありません。それらはプロジェクトから離れることなく、常に利用可能です。
以前のバージョンのARCHICADで作業していた場合、カスタム変換設定のコピーを全てのコンピュータにコピーするか、それらを全員がアクセスできる中央サーバーで共有するかのいずれかの方法で、皆がカスタム変換設定にアクセスできるようにしておく必要があります。どちらにしても、'ファイル > 相互運用性 > IFC > IFC 変換設定...'を確認し、新しい場所に移動してください。