2024-10-03 10:11 AM - 編集済み 2024-10-21 02:59 PM
BIMmToolは、点群をインポート、解析、モデリング、制御、アーカイブするために特別に設計されたArchicadアドオンで、Scan2BIMワークフローを完全にサポートします。このツールはArchicadにシームレスに統合され、点群に関わるすべてのワークフローを簡便にし、サードパーティ製アプリケーションを使用することなく、レーザースキャンデータから直接BIMモデルを便利かつ効率的に作成することができます。
BIMmToolを使えば、こんなことができます:
構造化された点群からシングルスキャン位置を無制限にインポート。
大きな非構造点群(E57およびLAZ)をインポートできます。ファイルの最大サイズは、使用可能なRAMによってのみ制限されます。
点群のダウンサンプル、分割、そして整理。
Archicad 28以降では、BIMmTool LiteはSSA、サブスクリプション、またはForward契約に含まれます。様々な解像度の点群のインポート、整理、表示、パノラマモードで表示といった基本機能を備えています。
ただし、BIMmToolは点群をインポートする際のArchicadの性能を向上させるものではなく、Archicadのビューに表示できる1つの点群の最大ポイント数を増やすものでもないことに注意が必要です。
BIMmToolのインストールシステム要件と推奨環境はこちらで確認ください。全てのバージョンはBIMm Solutions - Download (bimm-solutions.com)でダウンロードできます。Windows、MacOS Intel、MacOS M1/M2/M3に対応しています。
インストール時に、使用するArchicadバージョンの「Add-Ons」フォルダを選択してください。複数のArchicadバージョンがインストールされている場合は、「参照」をクリックしてArchicad 28の「Add-Ons」フォルダを選択してください。
BIMmTool Viewer(ライセンスなし)-BIMmToolをインストールして点群を開き、必要に応じて解像度を切り替えることができます。
BIMmTool Lite - SSA/ForwardおよびArchicad Collaborateユーザー
BIMmTool Pro
Liteまたは体験版ライセンスの取得: BIMm Tool Liteライセンス取得手順の詳細はこちらをご覧ください
Eメールを使用してオンラインショップに登録します
ライセンスのタイプを選択します(Liteまたは体験版)
10Duke(ライセンスシステム)に登録するためのリンクが記載されたEメールが届きます。
ArchicadとBIMmToolを起動します
BIMmToolのドロップダウンメニューから"ライセンス情報"に移動し、10Dukeアカウントでログインします。
「ライセンス」タブを開き、先ほど取得/購入したライセンスを選択します。
「ライセンスの有効化」"をクリックします。
オンラインショップに登録します
ライセンスのタイプを選択します
請求先住所と会社情報を注文フォームに入力します
支払いの完了後、10Dukeに登録するためのEメールが届きます
ArchicadとBIMmToolを起動します
BIMmToolドロップダウンメニューの"ライセンス情報"に移動し、10Dukeアカウントでログインします
“ライセンス”タブに移動し、先ほど購入されたライセンスを選択します
“ライセンスの有効化”をクリックします
Manage Company Licenses(カンパニーライセンス管理)をクリックすると、ライセンス管理者がユーザーおよびライセンスを管理できる10Dukeに移動します。Additional Actionsタブでは、ライセンスの移行、無料体験版の取得、フルバージョンの購入、長期オフラインライセンスのハードウェアIDの取得ができます。BIMmToolのバージョン(例: “28, release 01, beta B03”)が右下に表示されていますが、これはテクニカルサポートにとって重要です。
BIMmToolライセンスを共有するために同僚を招待することができます。ライセンスをオフラインで使用するには、"Reserve"を選択します。3日間確保されます。インターネットアクセスが制限されているカンパニーでは、長期オフラインライセンスをダウンロードし、1年間1人と1台のコンピュータにリンクすることができます。
点群とは、3D空間上にある多数の個々の点の集合です。個々の点は、座標(X、Y、Zなど)で定義された特定の位置を持っており、多くの場合、そのポイントの色に関する情報を持っています。点でできた雲を想像してください。各点は物体の表面のごく一部を表しています。これらの点線が組み合わさって、現実世界のデジタル3D画像が作成されます。
構造化されていない点群は、大きな点の集まりに過ぎなません。これらの点は特定の順序で整理されているわけではなく、それらの間につながりはありません。宇宙に散らばった点の集まりのようなものです。一握りの砂を地面に投げるようなものと想像してください。砂粒はランダムに着地します。
このような構造化されていない点群は、多くの場合、オブジェクトや環境をさまざまな角度からスキャンし、そのデータを結合することで作成されます。多くの詳細を取得する一方で、整理されていないため、データの処理や解析が難しくなる場合もあります。
長所(モバイルスキャナー、ドローン):
広範囲の高速データを収集。
空中から、または手の届きにくい場所からのスキャンが可能。
短所:
スキャン位置がわからないため、正確な位置の把握が難しい。
精度が低く(10メートルで1-3センチメートル)点密度が低い。
パノラマ画像はないため、モデリングは平面図と断面図に限られる。
一方、構造化された点群は、グリッドやパターンで構成されています。ぞれぞれの点が構造的に配置されているため、互いの関係を理解しやすくなっています。庭に整然としたグリッドに種を植えることを想像してください。それぞれの種には特定の場所があり、他の種との相対的な位置関係がわかります。
このようなタイプは、行ごとやレイヤーごとといった体系的な方法でデータを取得するレーザースキャナーのような装置を使用して作成されることが多いです。構造化された点群はより整理されているため、特に正確な3Dモデルの作成や詳細な解析が必要な作業において、作業がしやすくなります。
長所:
高い精度と正確さ(10mで1-4mm)。
点の密度が高い。
カラー及び反射率の取得。
スキャン解像度が調整可能。
パノラマ画像を使った詳細なモデリングに便利。
短所:
大容量のデータを生成するため、処理時間が長い。
高さのある要素や届きにくい要素の範囲が狭い可能性がある。
ハイブリッド点群は、構造化点群と非構造化点群の両方の長所を兼ね備えています。完全なデータセットを取得するために、さまざまなスキャン技術を組み合わせて使用しています。このアプローチは、構造化方式の高精度と、非構造化方式の高速かつ広範囲のカバレッジを活用したものです。異なるタイプのデータを統合することで、ハイブリッド点群はスキャンされた面積をより包括的かつ詳細に表示することができます。
例えば、ハイブリッド点群では、地上スキャナーで建築物内部の詳細情報を取得し、ドローンで外構と屋根を撮影することができます。こうすることで、最も必要な場所では高精度を、速度及びアクセス性がより重要な場所では広い範囲をカバーすることができます。
長所:
高精度と広い面積をカバーすることが可能。
より包括的なデータ収集。
異なるプロジェクトのニーズ及び環境に適応が可能。
短所:
設定や処理が複雑。
より多くの設備と専門知識を必要とする場合がある。
何を必要としているかによります。構造化されていない点群データは、詳細な情報よりも、スピードとカ範囲が重要で、広範囲を素早くスキャンする場合や手の届きにくい場所をスキャンする場合に便利です。高精度で詳細なモデリングが必要で、制御された環境下で作業する場合は、構造化された点群の方が適しています。精度と範囲のバランスが必要な場合、またはプロジェクトに異なるタイプの環境が含まれ、両方の長所を取得したい場合は、ハイブリッド点群を選択します。
構造化された点群は、その数値やサイズに関係なく、個別スキャンとしてインポートできます。プレビューインポートの段階で、測量点座標を使用して点群を正しく配置し、プロジェクト空間内に点群を正確に配置することができます。このプロセスは、地理参照点群を効果的に使用するのに役立ち、測量点を使用した正確な配置を可能にします。また、建物の階層に合わせたフロアの高さを設定できるので、フロアごとにデータを整理するのに便利です。このプレビューフェーズでは、大規模なプロジェクトの概要を素早く把握することができ、最終的なインポートの前にデータを効率的に管理・整理することができます。
最終インポートの段階では、特定のフロアにスキャンを配置し、スキャンオブジェクトをロックにして位置を維持することができる。これにより、構造化された点群の正確な位置が維持され、偶発的な変更が防止されるため、地理参照データの完全性が維持されます。これらの手順により、プロジェクトは地理的参照と整理された状態に保たれるため、他のプロジェクトメンバーとのデータ統合が容易になります。
構造化されていない点群の最大ファイルサイズは、コンピュータの使用可能なメモリ、総メモリから使用済みのメモリを差し引いた計算に依存します。プレビューインポートの段階では、まず点群のプレビューをインポートし、Archicadのプロジェクト原点付近に正しく配置しします。このステップで、点群がプロジェクトに適した場所にあることを確認します。また、測量点を使用して、地理参照された点群を使って作業し、プロジェクト座標と正確に一致していることを確認することもできます。さらに、フロア高さを設定することで、建物の階層に応じてデータを整理することができます。
最終インポートの段階では、分割平面のオフセットを使用して点群をフロアごとに分割することができます。これにより、点群データをフロアごとに管理することができ、大規模プロジェクトに役立ちます。非常に大きなプロジェクトの場合、点群をさらに小さなブロックに分割することができ、ブロックサイズは必要に合わせて調整できます。これにより、広範な点群データの取り扱いと作業がより管理しやすくなります。
フロア別の点群:
ブロックサイズを小さくしすぎないことが重要です。これはフロア毎のブロック数が過剰になる可能性があるため、結果敵に多くの点群になってしまいます。点群が小さすぎると、3Dでも平面ビューでもArchicadのパフォーマンスが著しく低下します。
ハイブリッド点群とは、単純に構造化されていない点群と位置情報ベースの360°パノラマを混ぜたものです。これらは、BIM Navigatorで構造化されたスキャンで表示することができます。IVION接続を通して、クラウドツールでNavVisのハイブリッド点群データを簡単に管理できます。
スキャンデータを選択するためのブラウザウィンドウ
スキャン名
スキャン中のスキャンしたポイント数(無効含む)
スキャンタイプ、構造化/非構造化
フロア分割のあり/なし
フロア高さに対する分割レベルのオフセット
点群をブロックに分割 はい/いいえ
ブロックの辺の長さ
ブロックごとの最小点数
スキャンを保存するレイヤーの選択
ステータス: 計算されていない/計算中/計算済み/計算修正済み
インポート時の配置タイプ
最大解像度の設定(Proライセンスユーザーのみ使用可能)
点群オブジェクトの設定: フロアごとの配置、要素のロック
形式 | メーカー | 点群タイプ |
E57シングルスキャン | 汎用 | 構造化 |
E571ファイル | 汎用 | 構造化/非構造化 |
E571ファイル | 汎用 | 構造化 |
*.fls | Faro | 構造化 |
*.lsproj | Faro | 構造化 |
*.lps | Luposcan | 構造化 |
*.lpo | Luposcan | 構造化 |
LAS | 非構造化 | |
LAZ | 非構造化 | |
*.zfs | Z&F | 構造化 |
*.3dd |
Riegl |
構造化 |
*.lgsx | Leica | 構造化/非構造化 |
*.lgsx | Leica | 構造化 |
*.lgsx | Leica | 非構造化 |
点群をインポートする際、解像度の設定によりスキャンの詳細が決まり、点の間隔が小さいほど解像度が高く、詳細度が高くなります。解像度が高いということは、ファイルサイズが大きくなるということでもあります。点群の解像度を2.5mmや10mmに下げると、ファイルサイズを大幅に小さくすることができます。しかし、非構造化点群では、モバイルスキャナーが既に少ない点群でデータを収集しているため、このサイズ削減はあまり目立ちません。
解像度は距離及び詳細の必要性に応じて調整できます。最大解像度オプション(2mm、5mm、10mm)はProライセンスでのみ使用可能です。低解像度(25mm、100mm、250mm)は一般的な形状を取得し、広い範囲やあまり詳細でないスキャンに適しています。
3Dウィンドウでは、カメラまでの距離に応じて点群の解像度が表示されます。PointCloud Switcherまたはモデル表示オプションの設定により、最高解像度を定義します。解像度とは、点群の精度ではなく、点群の密度のことです。
解像度プリセット:
解像度 | 2mm | 5mm | 10mm |
2mm | 5mまで | ||
5mm | 5mまで | ||
10mm | 5mまで | ||
25mm | 50mまで | 50mまで | 50mまで |
100mm | 100mまで | 100mまで | 100mまで |
250mm | 100mまで | 100mまで | 100mまで |
点群 10/5/2(最高解像度)mm:
2/5/10mmのスキャン解像度の組み合わせ:
スキャン解像度25mm(Liteライセンス):
スキャン解像度は低解像度の250mm(Liteライセンス):
PointCloud Switcherは別ウィンドウで開くツールで、BIMmToolを有効化すると自動的に起動します。PointCloud Switcherにアクセスするには、BIMmToolタブに移動し、オプションから選択するだけです。
Point Cloud Switcherを使用すると、スキャンを個別、フロアごと、またはクラスターごとに選択して、点群を効率的に管理できます。"アクティブスキャンを使用" 機能は、有効化された点群のみをモデリング対象に含めることで、プロセスを簡略化します。
点群のオン/オフは、全てのビュー、平面図、断面図、3Dウィンドウで切り替えることができます。モデル表示オプションでオフにするまで、点群は表示されたままです。
スキャンを個別またはビュー全体で選択し、切り替えます。
スキャン解像度を調整(Proユーザーは低解像度から超高解像度まで)。
様々な点群を表示: オリジナル、差分解析、モデル比較など。
クリッピングボックスで非表示になっていた点群を明らかにする。
Job Managerは、偏差解析やオルソ画像配置などのタスクの作成、管理、解析を効率化するために設計された強力なツールです。 job*が作成されると、Job Managerに表示され、表形状で編集することができます。
*ここでは、"Job"はBIMmTool内で処理されるタスクまたは操作を指します。
その主な特徴は以下の通りです:
上下の高さの割り当て。
該当するフロアまたは断面を選択。
計算に使用するスキャンを選択。
平面図、断面図、新規ワークシートなど、ターゲットの種類を選択します。
結果を保存する対象のレイヤーを定義します。
"Calculate& Place"を使用すると、Archicad内でオルソ画像やその他の出力を自動的に処理し、希望の位置に配置することができるため、手作業を減らすことができます。
Archicadで直接、点群から水平及び垂直のオルソ画像を作成します。
この機能は構造化及び非構造化点群の両方をサポートし、前バージョンより3倍高速化されました。
記念碑の保存などの特別な作業用に高解像度のオルソ画像を生成済できます。
偏差解析は、品質管理のために点群とモデルを評価および比較するツールを提供します:
許容制限値内のポイントは緑色で表示され、逸脱した点は赤色で表示されるため、施工不良の早期発見が容易になります。
点群のモデルとの一致度を示すカラーグラデーション(赤、緑、青)を表示し、天井のたるみなどの変形を発見するのに役立ちます。
この機能により、点群の特定の範囲を分離して操作することができます。ここでは以下が実行できます:
スキャンの対象外(家具など)を削除。
クリッピングボックスを使用して、出入り口、窓、歴史的要素などの特定の詳細を切り出す。
BIMmNavigatorは、点群データを可視化、ナビゲート、管理するために設計されたパノラマビューアツールです。構造化された点群の場合、データをインポートした直後にパノラマを表示できます。構造化されていない点群の場合、可視化の目的で仮想パノラマを生成することができます。
BIMmNavigatorは、点群ナビゲーションを効率的に行うための様々な機能を提供します。構造点群の個別スキャン位置から360度パノラマをビューできます。スキャンリストはフロアやクラスターごとに整理され、360度ビューで他の位置を表示したり選択したりすることで、スキャンプロジェクト内を簡単に移動できます。
ユーザーはカラーモードと反射モードを切り替えることができ、整理するために新規にクラスターフォルダを作成することも可能です。このツールには、同じ視点からArchicad 3Dウィンドウを開くことで、選択されているビューを3D表示するオプションもあります。スキャンは必要に応じて削除でき、背景もカスタマイズできます。
さらに、明るさとコントラストを調整して申請を向上したり、パノラマビューの履歴を移動して過去のパースを見直すこともできます。
BIMmToolパレットは、Easy2Modelパレットに進化し、BIMmNavigatorからのモデリングに必要な主要機能にフォーカスするよう合理化されました。注目すべきアップデートのひとつは、 "Shot 3D"機能です。この機能には、"2D/3D" アイコンが新たに追加され、Easy2Model の機能を平面図ビューと3Dウィンドウビューの両方でシームレスに利用できるようになりました。
Orthogonal Snap:以前の“Angle Snap”に代わるこの新機能は、設定された偏差を超えることなく、点群とのアライメントを確保し、正確な直交モデリングを可能にします。コンポーネントを中央に配置し、ワークシートの向きが尊重されます。
Cloud Tools:NavVisのIVIONプラットフォームと統合され、BIMmTool Proライセンス所有者はArchicadで直接パノラマにアクセスし、Easy2Modelを使用してモデリングできるようになりました。
Connect:このアイコンは、PointCabのOriginとLupo Scanのインターフェースを開き、Archicadに直接オルソ画像や差分解析を配置することができます。
オルソ画像: この新規機能は、構造化、非構造化を問わず、点群から高解像度の水平と垂直オルソ画像を生成します。プロセスは大幅に高速化され、Archicadのワークフローに沿うようになりました。特に記念碑の保存など作業では、モデリングが容易になります。
差分解析:このツールは、点群と参照面の間の偏差を表示し、建築物の変形、構造上の不規則性、建築精度の評価に役立ちます。敷地の現在の状態と設計モデルを比較するのに非常に便利です。
点群クリッピングボックス: この機能では、クリッピングボックスを適用することで、点群の一部をトリミングしたり非表示にしたりすることができます。点群のクリーンアップ、出入り口や彫像などの特定のディテールの分離、選択されている範囲からの新しい高解像度点群の生成に便利です。
製品の詳細マニュアルはこちらをご覧ください。