Archicad28の新機能「キーノート」が良かったので、これから触ってみる人の為に簡単にまとめてみました。
スクリーンショットもなく、使い方や操作説明と言うよりは仕様の説明になっていますが、時間と気力に余裕があればそのうち操作説明も投稿するかもしれません(しないかもしれません)。
一通り検証した上で書いていますが、もし内容に間違いがあればご指摘お願いいたします。
例えば仕上表の共通事項に書くようなテキストは、これまではモデルの情報にもプロジェクト情報にも紐づかず、plnファイルの中に単独で存在している事が多かったと思います。
そんなどこにも所属せずに書き散らかされていたテキスト達が「キーノート」で一元管理できるようになりました。
# 概要
## コア機能
- これまでは存在しなかった新しいデータベースです。文字情報だけを扱います。
- ひとつのキーノートにつき、「キー(≒ID)」「タイトル」「説明」「参照」 の4項目のテキスト情報を扱えます。
- 情報はキーノートパレットに集めて管理します。複数層のフォルダ管理ができます。
- フォルダでも「キー」「タイトル」「参照」が使えます。
- 各ビューでキーノートを利用して配置したラベルの凡例を、そのビューを配置したレイアウトに置くことができます。凡例はオブジェクトです。
- 凡例オブジェクトはレイアウトにしか配置できません(プロジェクト一覧やビュー一覧では使えません)。
## その他細かな説明
- パレットには検索窓があり、4項目とも検索対象です。
- 4項目とも、それぞれ自動テキストで利用できます。
- ラベルに表示させることができるので、要素との連携表示ができます。
- テキストツールでも使えます。どの要素とも無関係にも使えます。
- 配置したラベルやテキストを選択すると、キーノートパレットの該当部分がハイライトされます。
- 逆に、キーノートパレット側から配置したラベルやテキストを特定する事はできなさそうです。
- 要素プロパティとの関係は作れません。
- 一覧表には表示できません。
- ホットリンク等では概ね期待通りの挙動になります(雑な説明すみません)。
- xlsxとxmlでエクスポート・インポートが可能です。
- キーの番号を振り直す際はExcelを使うと良さそうです。
# 「参照」の使い方提案
インターナショナル版の説明動画を観ると「参照」には何やら数字を入れています。
(欧米の何かの「標準」とかの数字でしょうか?)
日本では多くの会社では直ちに同じような使い方はされないと思いますが、他の使い方をいくつか考えてみました。
1. タグによる分類に使う
キーノートは複数層でのフォルダ管理もできるのですが、参照にタグを入れていけば横断的な管理ができそうです。
タグをサポートする機能はありません。
ユーザー側が勝手にタグと見做して使う、と言う意味です。
2. URLを貼る
特記仕様書の追記や、仕上表や建具表の中の共通事項、特記事項などを書く時に、関連するメーカーのURLを参照に入れておけば、テキスト選択→キーノートパレットでハイライト→参照からURLにアクセス という動線ができます。
(ただしキーノートパレットの参照にURLリンク機能はありません)
# 所感
機能がシンプルで他の機能との関連も比較的薄いので、あまり難しいことを考えずに使っていけそうです。
これまでの各バージョンの目玉機能と比べるとインパクトは小さい気もしますが、地味に効率化に貢献しそうです。
今は地味ですが、その気になれば図面(の中のテキスト情報)の書き方そのものを従来の方法から変えていける可能性も感じます。
Excel連携で個人的に面白かったのは、キーが内部処理上もそのままIDになっている点です。
これが要素プロパティの一覧表であれば、要素のユニークIDや要素プロパティのユニークIDが必要ですが、キーノートは色々な連携ができない分、データの作りもシンプルです。
キー=IDなので、フォーマットさえ守れば、Archicadを一切使わずにイチからExcelだけでデータベースを作って、それをArchicadで誰でも簡単に使っていけます。フォルダの階層もパスを追加していくことでExcelだけで作っていけます。
Archicad内部の情報との連携が弱い分、Archicadを使わない方との作業連携が気軽にできそうです。
色々な使い方があり得そうなので、皆さんの使い方事例を見るのが楽しみです。