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優先度ベースの接続【旧サイトから転載】

本記事は、Archicad17(8年が過ぎようとしていますが)当時の記事ではありますが、今なお基本的な知識としてよく閲覧されていることもあり、サンプルファイルのみArchicad25にアップデートしたものをご用意し、旧How to use Archicadサイトから再掲いたします。

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Archicad 17からは要素間の包絡と勝ち負けを決める「優先度ベースの接続」の考え方が新しく導入されました。優先度ベースの接続の中でもっとも重要なのは、「交差の優先度」の情報を持つ「ビルディングマテリアル」です。
今回の説明で使用したサンプルファイルは添付していますので、あわせてご覧ください。

 

01.png

 

ビルディングマテリアルについて詳しくは「Archicad 17のビルディングマテリアルとは?」を参照ください
主なコンセプトとしては、同じビルディングマテリアル同士は包絡し、別々のビルディングマテリアル同士の場合は交差の優先度が高い方が勝つ仕組みです。しかし、要素の種類によってこの仕組みは若干異なりますので、注意が必要です。
次の表は、それぞれ同じビルディングマテリアルを設定した場合の要素間の包絡の仕組みを示しています。

 

02-620x302.png
 
一見複雑なようですが、色の付いた欄は大きく緑の「干渉」と青の「接続」の二つに分かれています。ポイントは、この二つの違いを理解することです。

  • 「干渉」とは、二つの要素の一部が立体的に重なっている、もしくは二つの要素の面がぴったり接していることです。
  • 「接続」とは、二つの要素の面がぴったり接していることです。

では、この表のスラブに関する部分を例に、包絡の仕組みを見ていきましょう。最初に、スラブと壁・梁・柱の「干渉」と書いてある三つの欄について説明します。

 

03-620x302.png


次の図は、ArchiCADの断面図で、スラブ・壁・梁が表示されています。では、壁を移動させて、スラブに接続させましょう。壁とスラブの間の線が消えて、包絡しているのが見えます。

 

04-620x290.png


次に、壁をさらに上方向に移動させ、スラブと干渉させましょう。この場合も包絡しているのが分かります。

 

05-620x599.png


梁の場合も同じ仕組みで、壁・スラブと接続していても、干渉していても包絡します。

 

06-620x293.png

 

 つまり、緑色の「干渉」と書かれている欄に該当する要素同士では、要素が干渉していても、面で接していても優先度ベースの接続が自動的に適用されます。
 
では次に、表のスラブと屋根・シェル・モルフの「接続」と書いてある三つの欄について説明します。

 

07-620x300.png
 
次の図では、断面図でスラブの上に屋根、シェル、モルフが表示されています。最初に、これらの要素を下に移動させてスラブの上端に接続させましょう。赤い丸印の部分が包絡しているのが分かります。

 

08-620x699.png


では次に、屋根、シェル、モルフの三つの要素をさらに下へ移動させて、スラブと干渉させましょう。下の図のように、包絡しないのが分かります。
しかし、実際にモデリングする際には、同じビルディングマテリアルであれば要素タイプに関係なく包絡させたい場合があります。このため、Archicad 17からは「要素の結合」という新しいコマンドができました。要素の結合コマンドを使うことで、自動的に包絡しない要素にも優先度ベースの接続を適用させることができます。
では、要素の結合を使って、これらの要素を包絡させましょう。最初に、包絡させたい要素(今回はスラブと屋根、シェル、モルフの4つ)を選択してから、デザイン>接続>要素の結合をクリックします。4つの要素が包絡したのが確認できます。

 

09-620x673.png


つまり、青色の「接続」と書かれている欄に該当する要素同士では、面で接している場合は優先度ベースの接続が自動的に適用されますが、干渉している場合は「要素の結合」コマンドを使う必要があります。
 
まとめ
Archicad 17の優先度ベースの接続によって、要素間の包絡および勝ち負けをコントロールでき、正しい納まりのモデルを作成することができます。主な要素(柱、梁、スラブ、壁)に関しては優先度ベースの接続は自動的に適用されますが、使用頻度が低い要素(屋根、シェル、モルフ)に関しては「要素の結合」コマンドを使うことによって優先度ベースの接続を適用させることができます。
 
まずは添付のサンプルファイル を活用して、コツをつかんでください!

共同執筆者