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2024-06-24 05:15 PM - 編集済み 2024-06-25 04:18 PM
※本記事は、旧サイト「How to use Archicad」より、kotetsuさん の2021年5月27日の記事を転載しています。
検証環境
通常の梁を入力したあとで断面形状の梁に変更した場合、もとの梁の構造体サイズが失われてしまい、入れ直しになってしまいます。
例えば、500×1800の基礎梁を入力して
設定を開いて「RC梁-増し打ち」に変更すると
断面形状のデフォルト値の「400×600」に変わってしまいます。
Archicad単体でこれを解消するためには、最初から断面形状で入力するか、サイズの変わってしまった梁の断面形状をひとつずつ間違えないように直すしかないと思います。
でもご安心下さい。
「一定のルールで」「繰り返し行う」作業は自動化(効率化)ができる可能性があります。
ピンチはチャンス!
Grasshopper Live Connectionを利用していっぺんに断面形状梁を再配置してみましょう。
Grasshopper-Archicad Live Connection(以下Live Connection)は下記よりダウンロード・インストールが可能です。
(Rhinoceros本体は有料のアプリケーションですが、Archicadで作れない形が作れたり、今回のような効率化が出来たりしますので、1本いかがでしょうか?)
https://graphisoft.com/downloads/readmes/read_me_first-gh-acliveconnectionjpn
最新版のArchicad / Rhinoceros / Live Connection をインストールして下さい。
Rhinocerosを起動して新規ファイルを作成します。
その際、テンプレートは「Large Object – Meters」にしてください。
緑のバッタのアイコンをクリックしてGrasshopperを起動します。
Live Connectionは、配置済みの要素を変更することは出来ず、新規作成となるため、断面形状梁作成用のレイヤーを新たに作成します。
Archicadを開き、任意の名前のレイヤーを作成します。
レイヤーの公差グループ番号はもとの梁と変えて置きましょう。
[ファイル] > [相互運用性] からLive Connectionを起動します。
Start Conectionボタンを押します。
接続されると「Start Conection」が「Break Connection」表示に変わります。
Grasshopperウィンドウに行き、Archicadタブを開きます。
「Parameters」の「Beam」を選択し、配置します。
Archicadに行き、断面形状に変換したい梁をすべて選択します。
Grasshopperに戻り、配置した「Beam」コンポーネントを右クリックして「Set Multiple Beams in ARCHICAD」を選択します。
表示が白くなればArchicadの梁が取り込まれました。
「Deconstruct」の「Deconstruct Beam」を配置します。
「Beam」の右側のコネクタから「Deconstruct Beam」の「Beam」コネクタにつなげます。
これで梁から「基準線」「設定」を取り出せました。
「Ectract Settings」から「Extract Beam Settings」を配置して、「Deconstruct Beam」とつなぎます。
これで梁の各種設定値を取り出せました。
「Settings」から「Beam Settings」を配置します。
配置した「BeamSetR」を右クリックして「Structure of ARCHICAD Beam」から「Complex Profile」を選択して、断面形状梁の設定を入力するモードにします。
「Input」から「Layer」と「Profile」を配置します。
配置した「Layer」の白い部分をクリックして断面形状梁用に作成したレイヤーを選択して「Select」をクリックします。
配置した「Profile」の白い部分をクリックして「RC梁-増し打ち」を選択し、「Select」をクリックします。
「BeamSetP」の「Layer」「Profile」に接続します。
これで、新たに作成される梁のレイヤーと断面形状が設定されました。
あとは、「BeamSetP」の残りのコネクタを「Extract Beam Settings」からつなぎます。
「Design」から「Beam」を配置します。
「Deconstruct Beam」から「Curve」「BeamSetP」から「Beam Settings」をそれぞれ繋ぎます。
(完成形)
Archicadに戻ると、断面形状の梁がもとのサイズのまま配置されています。
必要に応じて、もとの断面形状でない梁を削除したり、レイヤーを移動したりすれば完成です。
梁でやった内容を柱に置き換えて作成すればOKです。
一応、下に例を載せておきます。
いかがだったでしょうか。
Grasshopperはかっこいいコンピューテーショナルデザインだったり、複雑な形状の構造計算に使われるイメージが強いと思いますが、このように入力の効率化に使うことも出来ます。
まだ触れたことが無い方も、ぜひ挑戦してみて下さい。