2025-08-05
06:25 PM
- 最終編集日:
2025-08-05
06:27 PM
、編集者:
Rumiko Shimo
こんにちは、日本のみなさん。
このトピックでは、カスタマーサクセス部門に対する皆さんのご意見、そしてそれが皆さんのビジネスにどのように貢献・支援していると感じられているかをお伺いしたいと思います。
特にお聞きしたいのは、弊社のカスタマーサクセス(たとえば:テクニカルサポート、Community や BIM ClassesやBIMマネージャプログラム のコース、Archicad のアプリ内オンボーディング、ヘルプコンテンツなど)が、競合他社との比較において大きな差別化要素/競争優位として認識されているかどうかです。
この話題の背景には、現在業界内で熱く議論されている「AIの過剰な期待」に関するジレンマがあります。AIがあらゆる課題の“魔法の杖”として扱われる一方で、カスタマーサービスをAI主導のアプローチに置き換えてしまうと、当社がこれまで大切にしてきた顧客との関係性や独自性が失われてしまうのではないかと懸念しています。
もちろん、反復的で単純な業務や分析の分野では、AIの可能性を強く感じています。ただ、どこまでをAIに任せ、どこから先を人が担うべきなのか ― いわば「一線をどこに引くか」が重要な問いだと感じています。
現在のカスタマーサービスが持つ価値と、AIを活用した完全自動化サービスとの比較について、皆さんのご意見、ご感想、ご提案をお聞かせいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
Rob
Robert Kalocay
Director, Global Customer Insights
Graphisoft
追記:このポストに関してのご返信(ご感想やご意見)は、日本語で投稿してください。
彼はちゃんと翻訳して読みますので・・。
Graphisoft Japanスタッフ
2025-08-11 02:40 PM - 編集済み 2025-08-14 09:21 AM
AI・BIM推進を企業内で担う立場から、現状の所感を共有いたします。
まず、御社のカスタマーサクセスは他社と比較して非常に充実しており、とりわけコミュニティの活発さは大きな強みであると感じております。BIM ClassesやBIMマネージャープログラム、オンボーディングなど、多様な取り組みがユーザーの学習意欲や活用促進に確かな効果をもたらしていると認識しております。
一方で、テクニカルサポートやナレッジ提供については、AIによるサービス提供で十分に代替可能であるというのが私見です。実際、従来の検索エンジンを用いたWebページへのアクセス頻度は大幅に減少し、汎用AIやAI検索エンジンによって迅速に解決策を得るケースが増えています。AIによる回答は一定の誤りを含むものの、課題解決の速度や効率性においてその優位性は明らかです。
さらに懸念しているのは、すでにRevitがMCP(Model Context Protocol)対応によってAI統合で大きな技術優位性を確立しつつある点です。実際、Archicadでは数週間かかる設計業務が、MCP対応済みのRevit環境では3日程度で完了しているという事例も耳にしています。これは単なる機能差ではなく、業務スピードと競争力に直結する差異であり、早急にArchicadでもMCP対応を進める必要があると考えます。
ChatGPTが一般公開された当初は、ハルシネーション(幻覚)や最新情報の欠如など、回答の信頼性に不安を感じる点もありました。しかし、最新モデルであるGPT-5との対話は、もはや「博士号(Ph.D.)を持つ専門家と話しているかのよう」な水準に到達しています。これは果たして一企業のカスタマーサポートが対抗できる知性・知識でしょうか。それほどまでに、AIはこのわずか3年で劇的な進化を遂げたと実感しています。加えて、AI搭載型ブラウザや自律型AIエージェントの普及が目前に迫る中、この傾向は今後さらに加速していくと見込まれます。
もっとも、AIと人間の役割には明確な線引きが必要です。汎用的な知識の提供や単純な問題解決であればAIに任せることで十分ですが、ニッチな課題や特殊な現象・トラブルへの対応は、依然として人間の経験と洞察が優位であり、その精度において現時点ではAIを上回っています。私自身も社内では、ある種DX推進担当としてカスタマー部門を担っている立場ですが、シンプルな問い合わせはAI等に任せ、その分、社内で本当に求められていることの見極めやリソース配分、優先順位付けに日々苦心しています。このような判断や調整は、依然として人間ならではの価値を発揮できる領域だと考えます。
私たちユーザーがARCHICADや関連製品に求める本質的価値は、あくまでそれらを活用して素早く先進的かつ優れた設計・施工を実現できることにあります。
したがって、単純なテクニカルサポートやカスタマーサービスに過度なリソースを投じるのではなく、ユーザーの声に直接耳を傾け、それを製品開発に迅速かつ的確に反映すること、さらにVUCA(変動性:Volatility、不確実性:Uncertainty、複雑性:Complexity、曖昧性:Ambiguity)の時代において変化へ柔軟に対応する姿勢こそが、競争優位の維持・強化につながるものと考えます。
2025-08-19 02:55 PM
@ymch さま ご意見ありがとうございます!Robは現在休暇中なので帰ってきたら拝見すると思います!
他のみなさまも忌憚ないご意見いただければ!よろしくお願いします!
4 週間前
Dear @ymch -san,
I really appreciate your valid comments and observations. Your feedback is exactly what we were looking for. Although there are very quick-paced advances in AI technology the question about the scope of replacing human activity is still not well-defined. I agree with your points and we are fully aware that AI will bring a lot of not just legal but ethical issues. I guess it is still early to be sure what exactly that will mean for us as a vendor as well as for you as a customer / user. Also, to address your concern about our product development regarding AI... absolutely, there are already plans and research how to progress in this area with high priority. Thank you again for your valuable feedback.
Kind regards
Rob
このたびは貴重なご意見・ご感想をお寄せいただき、本当にありがとうございます。
まさに私たちが知りたかったポイントであり、とても参考になりました。AI技術は日々ものすごいスピードで進化していますが、人間の役割をどこまで置き換えられるのか、その線引きはまだはっきりしていないと感じています。
ご指摘の通り、法的な問題だけでなく、倫理的な課題も数多く出てくるだろうと私たちも認識しています。
現段階では、それがベンダーである私たち、そしてユーザーである皆さまにどんな形で影響するのか、まだ断定できない部分も多いと思います。
また、AIに関する製品開発についてご心配いただきました点ですが、こちらはすでに最優先のテーマとして、どのように進めていくか計画やリサーチを始めています。
改めて、価値あるフィードバックをいただき心より感謝いたします。
Rob